Q4

 たか子さんはどうやらあなたのイタリア車趣味に関しては快く思っていないようでした。デートのキャンセルの理由を正直に言うと、「私より車の方が大事なのね」と言われそうな気がして、あなたはたか子さんに親が訪ねてきたのでという嘘をついてしまいました。たか子さんは
「それなら仕方ないわね。でも今度は私をご両親に紹介してね。今日は私も久しぶりに友達と食事に行くわ。」
と言ってくれました。


 指定場所は、最近評判になっているイタリアンレストランでした。カウンター席のみの雰囲気の良いレストランに入ると、まだ時間が早いようで客は誰もいませんでした。ウェイターに用件を伝えると、とても丁重に席に案内されました。ウェイターは言いました。
「オーナーはその車でこちらに向かわれています。しばらくお待ち下さい。」
あなたはとても緊張しています。居酒屋で隣にいた女性の友達だということだったので、自分よりちょっと年上の男性くらいに予想していたのですが、レストランのオーナーということはかなり年配の人かもしれません。いろいろ想像をめぐらせていると玄関の開く音と共に女性の声が聞こえてきました。

 その人を見たあなたは驚きのあまり声が出ませんでした。

「お待たせ、○○くん。びっくりした?名前と電話番号を聞いていたので○○君が来るということは知っていたのよ。」
レストランのオーナーはなんと、あなたが食事を断ったゆきえさんだったのです。
「さぁ、ぽかんとした顔をしていないで、道路が混む前にドライブに行きましょう。なぜ私の誘いを断ったかもじっくり聞かせもらうわよ。」
あなたは言われるがまま、店を出てその車の助手席に乗りました。あなたは憧れの車に乗っていることと、それを運転しているのがゆきえさんだということですっかり頭はパニック状態です。

 エンジンをかけて、さぁ走り出そうという時でした。前からたか子さんが歩いてきたのです。あなたはさらに輪をかけてパニック状態になり、どうしたらいいのか分からなくなってしまいました。たか子さんはしばらくあなたを見ていた後、急に涙を流して走り出して行きました。たか子さんと一緒にいた女性はあなたと同じ部署の人でした。その人はあなたのところに来て、
「あなたって最低ね。」
と言ってたか子さんを追いかけました。

 さぁ、あなたならどうしますか。




たか子さんを追いかけて理由を説明する。


あと戻りはできない。とにかく今日はゆきえさんの持っている憧れのイタリア車を堪能して、たか子さんのことは後で考える。