Q4
ここでイタリア車の話をしても理解してもらえるはずがないと思ったあなたは、
「車なら何でも好きなんだけど、実は・・・・・、車の話はまた今度にするよ。」
と言ってごまかしておきました。
料理は最後のドルチェも終わりそろそろ帰ろうかというとき、たか子さんはトイレに行きました。一人になったあなたは狭い店内をぐるっと見まわしました。今まで気がつかずにいましたが、横の壁にはイタリア車が写っている写真が何枚かありました。それはよく見ると、あなたがいつかは乗りたいと思っているオープンカーでした。思わずあなたは店の人に聞きました。
「この車は店の方の車ですか?」
「それはこの店のオーナーの車なんですよ。もう少しすればその車に乗って店に来ると思いますよ。興味がおありでしたら少しお待ちになりますか?」
「いや、今日は彼女がいるのでやめておきます。また今度その車だけを見に来てもいいでしょうか?」
「店のお客さんがいなくなる頃に来ていただければ、オーナーとゆっくり話ができますよ。」
その時、たか子さんが戻ってきました。
店を出て、駅までの道を歩いているときあなたはたか子さんに今の話をするかどうか悩んでいました。その時、前の大通りを一台の古いイタリア製オープンカーが心地よい音とともに駆け抜けていきました。あなたは一瞬目を疑いました。運転席に座っていたのはなんとゆきえさんだったのです。その時たか子さんが「いくら車が好きでもあんな車にだけは乗らないでね。」と言った言葉はあなたの耳には聞こえていませんでした。
さて、あなたは後日どうしますか。
車はどうしても見てみたい。たか子さんに内緒でゆきえさんに会いにイタリアンレストランに行く。