Q4

 食事は最後のドルチェになりました。あなたのイタリア車の話はかなり長い時間続きました。たか子さんは黙ってあなたの話を聞いていましたが、それをあなたはたか子さんが理解してくれていると勘違いしてしまい、ついついしゃべりすぎてしまいました。

「イタリア車はまるで女性のようなんだ。」
とあなたが言ったとき、たか子さんが怒って言いました。

「私、とてもあなたの趣味が理解できないわ。好きな人にそんな趣味があったら、私と車かどちらか選んでもらうわ・・・・・。悪いけど今日は先に帰る。」

 たか子さんは怒って店を出て行きました。店にはあなたしか残っていませんでした。かなりしょげているあなたを見かねたのか、カウンターの奥にいた店の人が話しかけてきました。
「イタリア車のマニアな部分をすぐに理解できる女性はなかなかいませんよ。きっと時間がたてば彼女も理解してくれますよ。ところで、この店のオーナーもイタリア車に乗っているんですよ。」
 最近彼女とのデートばかりで、しばらくイタリア車の話を誰ともしていませんでした。ちょっと興味が出てきたあなたは言いました。
「へぇ〜、そうなんですか。オーナーは何に乗っているんですか?」
「そろそろその車に乗って店に来ると思います。コーヒーをご馳走しますので少々お待ちいただけますか?」

 ちょうどコーヒーを一口飲んだとき、オーナーが
「今日は散々な一日だわ。」
と言いながら店に入ってきました。オーナーを見たあなたは驚きのあまり言葉が出ませんでした。それはなんとゆきえさんだったのです。ゆきえさんもとてもびっくりした様子でしたが、笑顔になると、
「私とのデートを断っておいて、どうして一人でこんなところにいるの?」
何も言えないでいるあなたに、
「ちょっと待っていてね。着替えてくるわ。」
と言い、店の奥に入っていきました。店の人があなたにそっと言いました。
「きっとこれも何かの縁ですね。」


 あなたは店の前に出ました。そこにはあなたがいつかは乗りたいと思っていたイタリア製の古いオープンカーがとまっていました。さて、あなたはどうしますか。



いくらことの成り行きとはいえここでゆきえさんに心を動かされてはいけない。店に戻らずそのまま帰る。



これは運命の出会い。たか子さんのことは忘れ、ゆきえさんと話をする。